木更津工業高等専門学校 吹奏楽部
Frequently Asked Questions(よく聞かれる質問)
少しでも参考になれば幸いです.
- ダブルタンギングはどのように練習するのですか?
- 練習方法は以下の通り.木管楽器でも可能です.
- 1.口でトゥクトゥク…と言います.クは息だけ出ていることが判るでしょう.
- 2.楽器を吹いてみます.まずはテンポ60で8分音符を普通にタンギングします.
- 3.トゥクトゥクと発音して16分音符の形で演奏します.
- 4.テンポアップします.
- 5.鳴れてきたら,クトゥクトゥ…と口で言ってみます.
- 6.クトゥクトゥ…と逆順で同様に練習します.
- きれいにダブルタンギングをするには,舌を付けてタンギングして始まる「トゥクトゥク…」の形と,息によるタンギングから始まる「クトゥクトゥ…」の形の両方ができるようになる必要があります.
- メトロノームの最下段で16分音符でも演奏できます.
- リードの鳴りがよくないのですが….
- 楽器は楽器本体が鳴っています.
- リードを外して吹いてみて下さい.当然,小さい音でかすかな音しかしません.
- しかし,これが「一息分の音」なのです.
- 楽器に息を吹き込むとリードがマウスピース側に引き寄せられます.それは,流体(空気や水など流れるもの)が動き続けるとき,流体の速度が増すほど圧力は小さくなるからです(ベルヌーイの定理).
- 息の流れているところは気圧が低下して(判りやすい極端な例でいえば真空状態)になるので,リードは「気圧の高い外側」から「気圧の低い内側」に向かって押されることになります.
- 紙の一辺を口の「下に」当てて息を勢いよく吹くと,紙は「上に」引き寄せられます(試してみて下さい).
- 最終的にリードはマウスピースに触れて息の流れが止まります.そのとき,リードの弾性力で元に戻ります.このようにしてリードは振動して1秒間に「たくさんの細かい息を楽器に入れている」のでホールに響く音が出ます.
- リードを鳴らそうという感覚でいると,口先だけの演奏になりがちです.楽器本体を鳴らそうという感覚になって,ベルの先から息を出すように意識してみて下さい.
- リードミスが多いのですが…?
- 以下の点をチェックしてみて下さい.
- 1.リードの「下側」がずれていないかどうか.
- 2.リードの先端の形状とマウスピースの形状がマッチしているかどうか.
- 3.そもそもリードを付ける位置が上または下すぎないかどうか.
- 4.マウスピースをあまりにも深くくわえすぎていないかどうか.
- 5.楽器の角度は適切かどうか.
- 6.あまりにも強く息を入れすぎていないかどうか.
- 7.運指が悪い.特に左右の薬指の位置がずれていないかどうか.
- 8.楽器の状態が悪い.パッドから空気が洩れていたり,ジョイント部分のコルクが痛んでガタガタしないか.ネジが緩んで外れていないか.
- 9.クラリネットの場合,トーンホールに対して,キーリングが上に出すぎていないか(もしそうなっていれば,キーバランスを調整した方がよいでしょう).
- アクセントがうまく付けられないのですが….
- お勧めとしては,レガート・タンギングの練習です.
- 音を「ブツブツと切らない」で,ロングトーンをしているところで舌を少しだけつけて,「タンギングはするけれども,流れを止めない」ようにします.
- 普通の音量でできるようになったら,少し音量を上げてみます.
- 次に,タンギングの方法は全く変えずに,息の調整だけでアクセントを付けてみます.
- タンギングは「基本的に音の出だしを整えるものある」という意識が大切です.舌によるアタックではきれいな音にはなりません.
- 腹筋運動で腹筋を鍛えているのですが,ロングトーンがもちません….
- 腹筋運動で鍛えられる筋肉は,演奏とは直接は関係ありません.
- 腹筋運動で鍛えられる筋肉と演奏で使う筋肉は異なるので,ほとんど意味はありません.
- 詳しくは小原先生のページを御覧下さい.
- ロングトーンは長く吹けるだけでは駄目です.
- ロングトーンの練習で大切なことは,「音量を安定させる」「音程を安定させる」「音色を磨く」ことです.長く伸ばすことは二の次です.
- ロングトーンは自分の音を冷静に聞くことのできる,重要な練習です.「ノルマをこなす練習」をしていても,うまくならないどころか時間の無駄です(もったいない).
- 口が痛いです….
- とにかく無理をしてはいけません.
- 口が痛むということは,普通の状態とは違うわけです.無理をせずに練習を一時停止しましょう.
- 本番に近いときは無理をしがちですが,全く吹けない状態になってしまったら,本も子もありません.
- 楽器を吹かずとも,練習することは可能です.運指の練習,呼吸の練習,合奏で他の人の演奏を冷静によく聞いてみる,などなど.
- 口が痛む原因を考えてみましょう.
- マウスピースを強く噛み過ぎていないか.
- 金管楽器の場合,強く当て過ぎていないか.
- そもそも,アンブッシュアは正しいか.
- 息の支えなしに口先だけで吹こうとしていないか.
- 早期に治しましょう.
- シングルリード楽器の場合,クリーニングペーパを折って歯にかぶせてみると痛みが緩和されます.
- 痛むところに蜂蜜を少し塗ってみましょう(少しでも悪化したら即刻やめて下さい)
- 痛みが酷い場合は,病院に行って診察を受けましょう.
- ティンパニのロールの移動がうまくできないのですが….
- ロールに入るときに,たとえば,常に右から叩き始めるということはありませんか?
- たとえば,右→左のときに,左から叩き始めた方が早く移動できます.
- 左右,どちらからでもロールが開始できるようにする必要があります.これはティンパニに限らず,打楽器全般についていえることです.
- また,手前の位置でロールしようとしていませんか?
- ティンパニ同士の近いところでロールすれば移動距離が短くて済む分,早く切替えられます.
- 部長なのですが,練習の指導がうまくできません….
- 部長の役割とは何でしょうか.
- 部長は,部をまとめて運営することがその役割です.
- 傾向として,楽器演奏のうまい人が部長になることが多いですが,演奏指導ができる人が部長であることは必ずしも真とは言えません.
- 部長は何でも屋ではありません.
- 演奏指導は,指揮者なり練習係なりが担当するべきであり,部長がすべてを背負っていては肉体的にも精神的にも持ちません(特に精神的に).
- 部長は部を統括する人であり,いろいろな役割(たとえば会計,渉外など)がきちんとできているかを確認すること,練習スケジュールを計画することなど,部の運営を円滑に行うことに力を注ぐべきでしょう.
木更津工業高等専門学校 吹奏楽部
saito@beam.kisarazu.ac.jp