作業(?)風景 |
---|
磁気センサとは?
磁気を測るセンサのことをいいます。センサ材料に磁性体(磁石と考えてもらうとわかりやすいです。)を用いると、磁界の強さの他、応力・変位・等様々なものを測定できます。アモルファスという材料の登場後、研究が活発に行われる様になりました。
現在4人の卒研生と5人の課研生が配属されています。
指導教官である飯田先生は非常に多忙なため、卒研生でも1週間に何回あえることやら(笑)。 なので、photoを取る暇もなくphotoは代わりに先生のマスコットに登場してもらっています。
指導教官 飯田 聡子先生より一言
今年から立ち上げた実験室で実験機材の少ない中、卒研生たちは工夫を凝らして研究を頑張ってくれています。磁気センサというと余り馴染みがないかもしれませんが、パソコンのフロッピードライブや冷蔵庫、車の中など、意外と生活に密着しています。これからも少しでも「工学」という分野にそぐう「使えるもの」をテーマに研究を進めていけたらと考えてます。興味を持った方はぜひ遊びに来てください。…電気電子工学科からは若干離れ小島ですが。
配属されている学生を紹介します。卒研生については名前をクリックすると、その学生の研究紹介が表示されます。
専攻科生 | |
---|---|
大谷 純 | 鈴木 靖一 |
卒研生(5年) | ||||
---|---|---|---|---|
宇野澤 永吾 | 瀬尾 幹太 | 仲島 篤志 | 西 健二 | 橋本 崇史 |
課研生 | |
---|---|
内山 史仁 | 中山 有 |
磁気センサに用いる磁生体材料の特性により磁気センサの感度は変化するため、高感度の磁気センサには高透磁率かつ低保磁率である磁性体材料が用いられる。
この研究は、磁界中熱処理法を用いて磁性体材料の特性改善を図る事を目的として始められた。
実験の原理は、磁性体を高温に熱することで、磁性体内の磁気モーメントが熱エネルギーによって揺らぎ始め、この時に一定方向の磁界を印加する。すると、磁性体内の磁気モーメントの方向が印加磁界の方向に揃い、その後徐冷することで磁気モーメントが一定方向に揃った高透磁率かつ低保持率の磁性体材料を得ることができる。
この実験では左の写真のように電気炉で磁性体を加熱し、その周りをコイルで囲み、このコイルに電流を流して磁界を発生させることで磁界中熱処理を行った。
Fe系アモルファス磁性材料は、適切な熱処理を行うことによって高磁歪と優れた軟磁性を同時に持っています。この優れた特性を反映し、これらの材料は歪みに対して磁気特性が敏感に変化するので、高感度センサや圧力センサなどの構成材料として極めて魅力あるものと言えるのです。
鉄やニッケルなどの磁性体に圧力や張力などの 機械的歪みの印加により、材料の透磁率が変化します。磁歪によって磁性体の透磁率が変化すると磁性体の磁気インピーダンスが変化するため、その両端の電圧測定により磁性体に加わっている機械的歪みによる応力の大きさを検知できるというものです。
原理としては、消磁した磁性材料の磁区は図1のようになっている。磁界Hを印加すると、磁界の小さいうちは磁壁が移動し、磁界方向の磁区の体積が増加する。さらに外部磁界を強くすると、磁区の回転が起こり、磁気モーメントはすべて磁界方向を向くから、磁界密度は飽和する。
回路の仕組みは、励磁用電源により、環状試料に巻いた巻線数N1(回)の一次コイルにI1(A)の電流を流すと、この電流により磁界が発生する。巻線数N2(回)の二次コイルに電圧V2(V)が誘起される。
この電圧をC、R積分回路に入力すると、その出力電圧V‘2(V)磁束密度に比例した量となる。したがって、(1)、(3)式より、V1をオシロスコープのX軸に、V’2をY軸に入力させれば、ブラウン管上にヒステリシスループを描かせることができる。