「AR殿姫」実証実験


概要

 AR(Augmented Reality;拡張現実)技術を用いて,早稲田大学による1956年からの古墳発掘調査の当時の出土品の状況や発掘作業の様子などを,現代の世界によみがえらせます!


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Android 用アプリ versin 02.1 (2015-06-23)
 ターゲット画像と2014年のはにわ祭のポスターも含んでいます.ターゲット画像をパソコンで表示して,それをAR殿姫を起動したAndroid 端末で撮影すると,発掘当時の写真を表示できます.(後述するように,発掘当時の写真は「どこで撮影されたのか」が判明しています.「まさにここで」撮影されたという現地も是非 訪れてみて下さい.)

旧版:
Android 用アプリ (2014-11-09)


使い方

1. Android端末でアプリをダウンロードして,インストールして下さい.

2. アプリを起動したら,マーカーを動画カメラでかざすと,発掘当時の写真が表示されます.

3. 左上の「説明」や「画像」のボタンを押すと,マーカーを認識したときに表示する写真と説明文を切り替えます.
 (旧版では,切り替えには,ボタンを押してから約7秒ほどかかりましたが,改良しました.)

4. 右上の「再生」ボタンを押すと,説明文の読み上げ音声を聞くことができ,説明を聞きながら「画像」を見ることもできます.

※現地での実証実験では,2014年は文化庁から特別に許可を得て殿塚・姫塚の古墳の周囲にマーカを設置しましたが,2015年は案内者が対応します.

「AR殿姫」見学案内図

補足資料(自然風景認証について)

実験期間・場所

2015年11月8日(日) 09:00〜15:00 までを予定しています.

殿塚・姫塚古墳にお越し下さい.
はにわ祭のメイン会場からの巡回バスは,停車を申し出れば殿塚・姫塚古墳で停車します.

なお,上記期間以外も随時受け付けております.Android タブレットの無料貸出の御希望がありましたら,芝山町立 芝山古墳・はにわ博物館に御相談ください.

アンケートに御協力お願い致します.


少し詳しい説明

 大学を卒業して芝山仁王尊 観音教寺に赴任した濱名 徳永(はまな とくえい)住職が,「古代への憧れの実現」や,人間性の失われつつある現代社会に対して「その昔,豊かに輝いていたであろう人間性の再現」を目指して,寺の文化事業として芝山古墳群に注目しました.濱名住職は,考古学が専門ではありませんので,大学の恩師である古江 亮仁(ふるえ りょうにん)先生に相談し,早稲田大学の滝口 宏(たきぐち ひろし)先生の紹介を受けました.

 こうして,1956年に早稲田大学による発掘調査が開始され,大学の学生のほか,地元の消防団,青年団,婦人会などの団体や,中学・高校生にも動員がかけられました.まさに,町ぐるみで総力を上げて発掘調査に取り組んだのです.

 そのような中,殿塚古墳での石室から数々の副葬品が発見され,特に,姫塚からは40数体にのぼる埴輪が列をなしている状態で出土しました.驚くべきことに,それらの埴輪は,現位置をほぼ完全に保存した状態で発見されるという,極めて稀有な発掘結果が得られました.これは,学術上,非常に価値の高いものです.

 そして,この発掘調査では,766点に上る写真が撮影されました.非常に克明な作業日誌や写真撮影に関する記録が残されているため,どの位置で撮影された写真なのかが特定されました.これもまた非常に貴重な歴史的資料といえます.

 つまり,「どの位置で撮影した写真であるか」が分かり,しかも「その埴輪が元々どこにあったのか」が分かるという,類まれな「遺産」が残されているのです.

 本実証実験では,作業日誌や写真記録に基づいて,古墳の周囲にマーカーを設置しています.そのマーカーには写真と説明文を対応づけています.そのため,まさにその場で撮影された写真を,現代においてその場で見ることができるのです! どうぞ,アプリをインストールして現地で体験してみて下さい.

 発掘された遺物の一部は,芝山仁王尊 観音教寺内の芝山はにわ博物館に展示されていますので,博物館にも足を運んで「本物」も是非ごらん下さい.(また,芝山町立 芝山古墳・はにわ博物館では,九十九里の古墳時代の遺物が展示されています.芝山はにわ博物館のすぐ近くですので,こちらも是非お立ち寄り下さい.)


資料・外部リンク

芝山はにわ祭 2015

芝山はにわ博物館・釈尊館(芝山仁王尊観音教寺 境内内)

芝山町立 芝山古墳・はにわ博物館

芝山古墳群(Wikipedia)



saito@beam.kisarazu.ac.JP